山形青年会議所

出逢い
〜ひろがる縁 ひろがる未来〜

2020年度山形青年会議所概要

第65代理事長所信

公益社団法人山形青年会議所

2020年度 第65代理事長 岩田 雄治

情熱を焦がし挑戦しよう!
~かけがえのない仲間とともに~

はじめに

山形青年会議所は、1955年の創立から65周年という節目を迎えます。創立以来、不変のテーマである「明るい豊かな社会の実現」を目指し、まちづくり、ひとづくりの事業を中心に様々な運動を展開してきました。そして、我々現役会員は、これまで長きにわたり先輩諸氏より、やまがたを想う情熱や、やまがたを愛する心を、脈々と受け継いできました。

時代は平成の幕が降り、新たに令和の時代が始まりました。現在は情報過多の時代と称され、必要以上の情報、また正確性に欠けた情報に人は翻弄されています。また様々な技術が想像を超えるスピードで進歩し、2045年には、人工知能が人類の知能を上回ると予想されています。そして、社会はこれまで以上に効率化を追求することから、機械化の流れはより一層強まり、機械が人の立場を奪う社会が来るのだと、悲観的な未来を描く方も増えてきました。ただ、全てを創り出し操作しているのは我々人間です。改めて人が主体であることを考え、人間力を高めると同時に、人と人とのつながりを結集し、時代に即したまちづくりを推し進めなければなりません。

そして、我々は、互いに切磋琢磨し合いながら、先輩諸氏より受け継がれてきた想いを胸に、創立60周年提言「BRIDGE」を携え、青年らしい創造的な視点から、我々の理想へ向けて橋を架けて参ります。

夏の風物詩 山形大花火大会~夜空に大輪の花を~

近年、財政面や安全確保、人手不足などが原因で、全国的に花火大会の中止が相次いでいる中、これまで山形青年会議所は40年という長きに渡り、形を変えながらも青年たちの汗と情熱とともに、市民・近隣地域・行政・協力企業の皆様から、多大なるご協力を賜りながら継続して山形大花火大会を開催してきました。そして、地域の観光資源の一助として山形の夜空に大輪の花を咲かせ、美しさとその圧巻の迫力で、観覧者へ大きな感動と笑顔をもたらし、夏の風物詩として県内外の皆様より大きな支持をいただいています。本年も楽しみにしている皆様のために、これまで以上に安全、安心で新たな創意工夫を施した、心震える第41回山形大花火大会を開催します。また、この山形大花火大会を地域の誇りとすべく、市民・近隣地域・行政・協力企業の皆様とともにスクラムを組み、今後も永続して開催できる大会を創造して参りましょう。

ひとづくりはまちづくり~理想の故郷を次世代に~

山形青年会議所はこれまで、自分たちの住み暮らすまちは自分たちで創り、次世代に少しでも、豊かでより良いまちを残したいという気概と責任感を持って、運動、活動を行ってきました。その経験を踏まえ私は「ひとづくりはまちづくり」だと考えます。そこに住まうひとがまちを想像し、まちを創造します。その「想像力:Imagination」と「創造力:Creativity」を兼ねそろえたひとが、そのまちに多く住み暮らせば、間違いなく理想的で豊かなまちへと変化していくでしょう。

我々市民が、故郷に現存する自然、歴史、食文化や精神文化など、ありとあらゆる潜在的魅力を再発掘、再認識し、今後の理想のまちやまがたを描ける「想像力:Imagination」を養うことが重要と考えます。そして、地域に住まう子どもたちが健全でたくましく、他を敬い地域を愛するひとに成長を遂げることが、地域を創り上げる「創造力:Creativity」の育成につながると考えます。

また、近年高度情報化が進み、様々な媒体で簡単にコミュニケーションが取れ、直接人と会わなくてもことが進み、画面上で全てが完結し、人と人との関わりが希薄化しています。「人は人でしか磨かれない」という言葉があるように、多くの人と直接触れ合い、気づきや学びを得ることが最も重要だと考えます。そして、まちづくりの大切な要素である「想像力」「創造力」の醸成に強く影響を及ぼすと確信しています。

また、2020年は東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催され、海外から多くの外国人が来日します。世界との距離感がより一層近くなり、子どもから大人まで、多くの市民の世界に対する意識がより高まるでしょう。そして世界を知り、住み暮らす故郷と世界を比べた時に、故郷の価値を見出せるものと考えます。さらに、まちづくりを世界規模で考えることで、故郷を客観視でき、良き部分、改善すべき部分が見えてくるはずです。今後も海外姉妹JCと、関係性を密にして交流を図ることで、相互理解を深めグローバルな視点で、地域を創造して参ります。

多くの同志と未来を語らう~かけがえのない仲間とともに~

青年会議所の大きな特徴の一つは、全ての会員が40歳で必ず卒業をしなければいけないということです。これは青年会議所が、20歳から40歳までの限られた青年期の時間の中で、情熱を焦がし、三信条である「修練・奉仕・友情」のもと、社会貢献することを目的に組織された青年のための団体だからです。しかしながら、近年は在籍年数の短期化や青年の価値観の変化などもあり、会員拡大が進まず、会員は減少傾向にあります。どんなに良い団体があってもそこに会員がいなければ何も起こりません。我々は様々な運動を行なっておりますが、会員の拡大は、運動の原点と考えます。組織として、全員で会員拡大ができる仕組みを考え、まだ見ぬ同志との出会いを創出し、青年会議所の魅力を一人ひとりが自らの言動をもって伝えることが重要と考えます。

我々は様々な動機で山形青年会議所に入会しました。そして、多岐にわたる事業や単年度ごとの様々な役職を経験し、多くの方々との出会いを重ね少しずつ自己成長を遂げ、山形青年会議所に入会した価値を実感しているはずです。我々は、会員拡大の重要性を改めて考え、会員の総力を結集して会員拡大を展開し、多くの同志とともに、輝かしい地域の理想を共に語らいます。

歴史と伝統をふりかえり~思いを紡ぐ(つむぐ)~

これまで長きにわたり先輩諸氏より紡いでいただいた、この歴史と伝統ある山形青年会議所も本年創立65周年という節目を迎えます。

我々が住み暮らすこの地域も、現在の山形青年会議所も、すべては先輩諸氏がこれまで展開してきた運動、活動の賜物です。今、とは過去の結果であり、そうであるならば、今を知るために、我々は過去を知らなければなりません。過去から学び、未来に向けて、現在、行動するのです。創立60周年時に、10ヶ年計画とも言える「BRIDGE」を策定しました。中間地点である本年は、この5年間の運動、活動を検証し、未来の5年に向けて歩みを新たにする必要があります。そこには、継続すべきこと、注力すべきこと、そして、革新すべきことがあります。変えるべきところは大きく変え、伸ばすべきことは大きく伸ばす、この変化こそが進化であると考えます。「明るい豊かな社会」の実現は一人のひとの力で成しえるような簡単なものではありません。先輩諸氏をはじめ、多くの同志とより広く、より深く運動を展開するために、我々は絆を深めて参ります。

組織の更なる価値の創造~信頼を得る団体として~

個人の資質向上は、組織力の向上に直結すると考えます。我々は、社会人として当たり前のことができているのか、他を理解し思いやりをもって行動できているのか、今一度原点に返り、自分自身を見つめ直すべきであると感じます。今、青年には何が求められているのかを考え、自分づくりから資質向上を行います。

そして、地域から信頼され求められ続ける団体として、盤石な組織を形成し続けるのはもちろんですが、時代とともに移り変わる社会情勢に順応しながら、より時代に即した組織へ進化しなければなりません。そして、我々が行う運動の発信を、様々な媒体を活用し、効果的かつ幅広く発信することが重要と考えます。我々が展開する運動に共感を持つ地域市民の皆様が一人でも増加すれば、必ずやこれまで以上に信頼され、価値ある団体になると確信します。

また、山形青年会議所はこれまで創立以来、行政をはじめとした他団体の皆様より多大なるご支援、ご協力を賜ると同時に確かな関係を築いています。それはこれまで、山形青年会議所として真摯に、皆様と心を通わせ、共に地域に対して熱い想いを寄せてきたからこそ、この関係性は続いていると確信しています。これからも、このすばらしい関係性をより強固にし、共に手と手を取り合いながら、互いに地域を思う心をさらに高めて参ります。

SDGsの推進~持続可能な地域を目指して~

これまで、山形青年会議所はSDGsを、前身であるMDGs(国連ミレニアム開発目標)の時代から普及・啓発に努め、特に小・中学生へ特化したプログラムを実施し認知向上を行ってきました。2019年には日本青年会議所の総会において、全国の青年会議所でSDGsを広く推進すべく「UN SDGs推進宣言」が可決され、全国的に、持続可能な社会の実現へ向けた運動の機運が高まっています。我々が行っている運動の全てと、SDGsのゴール、ターゲットをリンクさせ、世界に山積する問題や課題を、地域の問題、課題として意識し、問題解決の一助となるよう運動を展開して参ります。

最後に

新たな1ページを共に歩む同志たる山形青年会議所のメンバーへ

この団体で活動をしていくという決断に敬意と感謝の心を贈ります。心の底から感動し共感できる運動、活動を行いましょう。

我々には、これまで先輩諸氏より紡いでいただいた地域に対する熱い情熱があります。それは65年の月日を経ても、決して変わることはありません。そして、我々は故郷がある限り、この熱い情熱の火を絶やすことはありません。時代に即した組織作りを推し進め、地域によりインパクトのある運動を展開し、この情熱の火を大きな炎に育て、次の世代へ引き継いでいきましょう。

我々には、志を同じくする仲間がいます。運動や事業構築において、少数で活動するのではなく多くの仲間を巻き込んで活動しましょう。より多くの仲間と活動をともにする時間にこそ価値があります。会員同士、正面から向き合い、ともに活動する仲間とのご縁を大切にしましょう。そして、偶然ではなく、必然的に出会った仲間と運命をも変える時間を過ごしましょう。また、青年会議所の運動、活動は「できるか、できないか」ではなく「やるか、やらないか」です。迷ったときは挑戦しましょう。失敗を恐れず挑戦しましょう。青年らしく情熱をもって挑戦しましょう。

私は、これまで出会った多くの皆様と、誠心誠意お付き合いをさせていただいております。そして、自分で決めたことに責任をもって最後までやり抜くよう努めて参りました。その姿勢は、信頼を生み、やり抜いた後の充実感や達成感は、必ず人を成長させると信じているからです。1年間我々に課せられた担いを共に全うしましょう。そして、我々に関わる全ての皆様と誠心誠意向き合い、自分の人生においてかけがえのない仲間とともにまだ見ぬ未来を切り開いていきましょう。