山形青年会議所

出逢い
〜ひろがる縁 ひろがる未来〜

2018年度山形青年会議所概要

第63代理事長所信

公益社団法人山形青年会議所

2018年度 第63代理事長 近藤 英雄

宿命に従い運命を切り開く
~愛するやまがたのため、大切な人のために~

はじめに

これまで多くの先達がこの山形青年会議所で汗と涙を流し、時代の変化とともに活動を脈々と受け継ぎ、今もなお地域のため、会社のため、そして家族のために一生懸命力を尽くすという山形青年会議所が引き継いできた想いや意思は決して変わっておりません。そんな団体だからこそ私はこのJCが大好きであり、地域に必要とされる団体であると思っております。この62年という長きに渡り山形青年会議所の価値ある歴史と伝統を紡いできた先輩諸兄に敬意を表すとともに、これからの1年間を共に歩む同志たる山形青年会議所メンバー一人ひとりに感謝の気持ちを贈ります。

人は誰しもが様々な宿命を背負い、限りある人生の中で運命の選択を強いられます。

私は1980年に家業であるまちの設備屋の長男としてこの世に生を受け、幼少期から父の仕事を間近で見ながら育ってきました。その中で常々言われ続けてきたことは、「苦労は買ってでもしろ」というのが父の教えであり、世のため、人のため、24時間365日対応というのが弊社の方針でもあります。ただ、何をもって苦労というのかは人それぞれだと思いますが、両親もいる今、苦労はまだまだ足りていないと感じております。私は2009年にこの山形青年会議所に入会をさせていただきましたが、これまで職業柄現場での作業が多かった世間知らずの私に社会人としてのマナーや礼儀作法など、先輩や仲間から多くの気づきを与えてもらいました。また、活動していく中で日々自己成長をしていくことに喜びを感じ、市民意識変革団体として、「まちづくり」や「ひとづくり」に貢献する喜びを覚えることができたのもJCのお陰であります。

JCという同じ運命を選択された同志と共に、今地域から求められることは何か、地域に必要なことは何か、ということをしっかりと見定め、これからの未来に向かって、我々JCにしかできない運動やまちづくりを展開していかなければなりません。JCはできるかできないかではなく、やるかやらないかを問われている運動体です。

2018年度、皆様と共に愛するやまがたのため、そして大切な人のために、揺るぎない信念と覚悟をもち運動を展開して参りましょう。

 

「信念と覚悟をもち、宿命に従い運命を切り開く」

 

 

◼魅力ある地域の創造

夏の風物詩として、市民の皆様に支持され発展してきた山形大花火大会は1980年より観光資源の一翼を担う事業として、送り盆と迎え盆にあたる8月14日に毎年開催されています。近年、用地確保の問題や資金の問題から全国的にも中止となる花火大会が増えておりますが、これからも市民の皆様はもちろん帰省者など故郷(ふるさと)を愛する方々のために、これまで共に育み続けてきた山形市・山形商工会議所、そして、市民サポーター、関係諸団体との連携をさらに強固なものとし、わがまち山形の夜空に大輪の華を咲かせ、観覧者に大きな感動と笑顔を与えることができる第39回目の山形大花火大会を開催します。また、今後も持続可能で且つ市民参加型として進化する大会を目指し、地域産業の発展や地域環境にも配慮するとともに、未来の山形を見据えた魅力溢れる大会の創造へと繋げて参ります。

近年、少子化、過疎化、人口減少などによって、地域社会におけるコミュニケーションが希薄化し、時代の流れとともに市民の価値観やニーズも多様化する中で、産業活動や人の流れも変化を続けています。消費者がインターネットをはじめとする様々な媒体を活用し、殆どのものをその地を訪れることなく手に入れられるようになった今、地方都市は交流人口の拡大へ向け地域活力が生み出される時代に見合った質の高いまちづくりを展開していかなければなりません。この山形には蔵王を始めとする豊かな自然環境や山寺、霞城公園など歴史的・文化的資源、農産物や特産品が豊富に存在します。実際にこの地を訪れることでしか感じることができない魅力というものを再認識し、コミュニティを活性化させ、県内外より多くの人が訪れるよう新たなやまがたらしさを創出します。

 

◼魅力ある未来に向けて

未来を担う子供たちの成長は私たちにとっても最高の喜びであります。高度情報化社会が目まぐるしく進む中で、SNSなどが主流になり、様々な問題が浮き彫りになっております。物事の合理化、簡略化を覚え、本来の子供らしさが薄れつつある中、やまがたの自然や景観、歴史、伝統、文化などに触れ、今一度この住み暮らす地域の魅力と多くの人の魅力を感じていただき、やまがたならではの経験を積んでもらうことによって愛郷心を育むとともに、明るい未来に向けた子供たちの成長へと繋げて参ります。

多くの人との出会いこそが人生を変える大きなチャンスとなります。JCは様々な個性や価値観をもった方が在籍し、青年の情熱から生まれる果敢な行動力を集結すべく組織された青年のための団体です。また、組織は共通の目的、貢献意欲、情報共有がなされることではじめて成立します。山形青年会議所の会員数は1985年、1989年の211名を最高の年々、会員数は年々減少傾向にあり、2018年は112名の会員が在籍しております。多くの仲間がいればこそ、自分が必要なもの今自分に足りないものを見つけることができ、それが人としての成長に繋がり、そして、組織力の向上に繋がるはずです。重要なのは一人の百歩より百人の一歩。混沌とした時代だからこそ信念と覚悟をもったそんな青年が一人でも多く必要なのです。

◼機会とネットワークの活用

技術革新や情報化社会が進むにつれ、様々な媒体が溢れ人と人との繋がりや地域との繋がりが薄れ、また、山形青年会議所で言えば、以前よりもメンバーの在籍年数が短期化していることを一つの起因として、先輩諸兄との親交が希薄になる傾向にあります。さらに、時代の変化とともに価値観の変化などが拍車をかけ、世代間の隔たりが広がるばかりと憂えています。これまで、山形青年会議所はブロック大会、全国大会、JCI ASPAC山形大会と様々な大会を誘致し、歴史と伝統を紡いで来ました。今後も多くの交流の機会を頂戴し、世代間を越え、先達の経験に学ばせていただきながら、力強い山形青年会議所を作り上げて参ります。また、国内姉妹JCである倉敷青年会議所と今後も良き理解者でありライバルとして、これまで育まれた友情をさらに強くし、これからも互いに切磋琢磨しあえる関係性を築いて参ります。

JCI恒久的プログラムのひとつに、国際性の機会というものがあります。私たち山形青年会議所の海外姉妹JCである台湾四維JCは2008年の姉妹締結から、本年10年目を迎え、また、香港シティ・レディーJCとも毎年交流を図りながら活動をして参りました。この国外にも広がるネットワークに感謝の気持ちをもちつつ、異なる歴史や文化、価値観に触れながら、相互理解を深めることで山形の国際意識を高めて参ります。また、JCでの各種大会は多くの学びを得ることができます。本年はJCI ASPAC鹿児島大会が開催されますが、JCI ASPAC山形大会に次いで4年ぶりに日本国内でのASPAC開催となります。この国際大会を絶好の機会と捉え、我々も一丸となって支援を行うとともに、多くのメンバーで積極的な参加と交流を図りながら国内外に広がるネットワークをさらに広げて参ります。

 

◼資質向上と組織向上に向けて

個人の資質向上は、幅広い体験や経験、そして、ひたむきな努力と学ぶという姿勢から生まれます。JCは、個人の資質を向上させ、地域を担うリーダーを育成しております。私が思う理想のリーダーとは、誰よりも先頭に立ち、常に誠実で己を律し、他を思いやる優しい心をもちながら、どんな困難・苦難にも立ち向かいマイナスを全てプラスに変えられる人だと思っております。つまり、物事の本質を見極め、人の幸せに貢献できる覚悟と行動力を兼ね備えた人物であります。そんな信念と覚悟をもったリーダーが必ずやこのJCを、そしてこの地域をより良いものへと変えられるものだと信じております。また、私たちは過去の経験からも多くを学び、それらを次世代へと繋いでいかなければなりません。JCI ASPAC山形大会から早4年目を迎える今、かつてない貴重な機会を今一度振り返り、JCI ASPAC山形大会を契機として、このやまがたがどのように変わったかを検証して参ります。

JCは明るい豊かな社会の実現に向け、市民意識変革団体として運動を展開しております。盤石な組織を形成し、時代とともに移り変わる社会情勢に対応しながら、青年経済人として、世のため人のために「ひとづくり」「まちづくり」に取り組んでも、それらを多くの人に認知されなければ意味がありません。それには、私たちが日々取り組んでいる活動や運動を常に発信し続けることが重要であります。そこに関心や共感をもっていただく人が一人でも多くなれば、このまちが、ひとが、そして山形青年会議所が必ずやより良いものへと進化を遂げることでしょう。そのために私たちは行動します。

 

結びに

生まれ育った時代や時期、環境、性別は宿命であり、地域の発展や自己成長を求めJCという同じ運命を選択した同志と共に、お互いを信じ心の支えにする信念をもって、自己の思いを成し遂げるという覚悟で一年間運動を展開して参りましょう。また、市民の方々から寄せられる期待に応えるため、他人の喜びを自分の喜びとし、地域に尽くす心を抱きながら理想的な社会を追い求め、常に誠実に、そして自分に素直に生き抜こう。

この愛するやまがたのため、大切な人のために

「信念と覚悟をもち、宿命に従い運命を切り開く」

 

宿命とは、生まれる前から決まっているもので、変えられないものであり、この世に生まれなければ、経験や幸せをも感じることができないのである。

この世に生を受けたこと、そして、両親や家族、支えてくれる周りの人に感謝をしよう。

 

運命とは、生まれた後に決まるもので、変えられるものであり、生きてから加えていく道のりのことである。どんな人と出会い、経験をして、どのような仕事につくか、自分からアクションを起こすことで決定され、運命は自分の意思や行動によって、いかようにも変えることができる。

このJCで出会う多くの仲間や機会を大切にしよう。

 

信念とは、理由や理屈抜きに他者を信じ、または心の支えにする考えおよび行動の根本となっているもの。信念なくしては何事も成しえない、信念こそが人間にとって一番大事なものであり人の生き様の根幹をなすものである。

共に活動するメンバーを信じ共に行動しよう。

 

覚悟とは、信念を貫くために、苦痛や苦悩を最大限に甘受することを決心することであり、失敗したり、何があっても成し遂げようとする思いのことである。

これから共に活動する同志と失敗を恐れず事業や運動を展開していきましょう。

 

揺るぎない信念と覚悟をもつことこそ、発展、成功へと繋がる