山形青年会議所

出逢い
〜ひろがる縁 ひろがる未来〜

2024年度山形青年会議所概要

第69代理事長所信

公益社団法人山形青年会議所

2024年度 第69代理事長 髙橋 慶多

出逢い
〜ひろがる縁 ひろがる未来〜

はじめに

山形青年会議所は1955年7月12日に33名の志高き青年により設立され、明るい豊かな社会の実現を理想とし、山形青年会議所の運動が始まりました。チャーターメンバーの一人だった祖父は、理事長として山形の各LOMをつなぐべく山形ブロック協議会の発足に力を注ぎ、その後入会した父は、理事長職に就いた年に起きた阪神淡路大震災を受け、遠く神戸の地での炊き出しや40周年記念式典事業の開催に奔走していました。そしてそんな2人の地域の為に全てを費やす背中に魅せられた私は、その背中を追って入会し私もこのたび理事長職を受けるという大変名誉な機会を賜り、大きな責任を感じております。幼い私が見ていた2人の姿は威厳とやさしさに満ち、なにより人と人のつながりを大事に、いつも人の輪の中にいました。そんな2人を近くで見てきた影響なのか、私自身も幼少期から人と出逢い、つながることに強い喜びを感じていたように思います。人と人がつながることで、今までにない新しい発想が生まれていく、そんな期待を感じるのです。そのため自分自身が新しく人と出逢うことも勿論ですが、人とひとをつなぐ場を提供できることにより一層の喜びを感じます。今の時代、「知識」は様々な媒体を通じていくらでも身につけることができますが、人と人の出逢いから得られるものは言葉で表せられないような感動や喜びです。感情を含んだ活きた言葉を交わし合い答えを生み出していくことで、その場に出逢えた人達が一段も二段も成長できるという実感が私にはあります。だからこそ私も祖父や父のように、覚悟をもって理事長の職に向かい、メンバー一人ひとりとの対話を大切にし、たくさんの「出逢い」を地域の皆様に提供していけるよう引っ張り巻き込んでいきます。

 

その時の出逢いが

人生を根底から変えることがある

よき出逢いを                      

作:相田みつを

 

『「出逢い」とは思いがけなくあうこと、めぐりあい。を指します。』

出逢いは我々に成長や変化の機会を与え、出逢いがもたらす新しい経験やつながりは、人生を豊かにします。

私はこれまで数えきれない「出逢い」に恵まれてきました。今の私があるのは、たくさんの人と出逢い、多くの経験と学び、成長する機会を得たからです。そして、その機会は山形青年会議所に入会して得られたものも多くあります。会員拡大委員長をした際には、新型コロナウイルスの影響の中で人と人が会うことが制限され、交流の機会がない状況下ではありましたが拡大に携わった同志のおかげで20名という新たなメンバーの入会につなげることが出来ました。私一人ではこのような会員拡大は実現困難なことですが、同じ目標を共有し互いに支え合うことで実現できることを経験してきました。山形青年会議所で同世代の志高い仲間と共に今地域の課題は何であるのか、青年には何が必要とされているのかを真剣に考え、向き合うことで、想像もできないようなことが叶えられると私は確信しています。

山形青年会議所が興してきた運動はこれまで68年間という長きにわたり受け継がれ、現在までに700名を超える卒業生を輩出し、やまがたの地域社会に多大な影響を与えてきました。そして、この2024年は、新型コロナウイルスを乗り越えた先の、また新しい出発点だと感じています。新型コロナウイルスの影響下では、身近な人との接触が妨げられた一方で、オンライン会議ツールの普及などにより、これまで関わることが難しかった人々との出逢いが一挙に創出された時代でもありました。新型コロナウイルスが感染症法上の位置づけが第5類感染症に変更され、様々な制限が撤廃された今、こうした新しい技術も積極的に活用しながら、改めて私たちが住み暮らすやまがたの魅力や問題に真摯に向き合い、「まちづくり」や「ひとづくり」に貢献し、時代の変化に応じて変えるべきものと伝統や文化など変えてはいけないものを見極め、地域の皆様と共に志新たに地域活性のための運動を展開していきたいと思います。

 

魅力あるやまがたとの「出逢い」

1980年より山形の夏の風物詩として市民の皆様に支持されてきた山形大花火大会は2024年で45回を迎えます。山形大花火大会は毎年お盆の8月14日に夜空に舞う大輪の華を咲かせ、私たち家族や友人の胸を躍らせ、見る者すべての方々に笑顔と感動を提供してきました。近年の山形大花火大会は物価の高騰や資金の問題、そして打ち上げ場所の確保等多くの課題があります。しかし、家族や友人と見に行くことを毎年楽しみにしているすべての皆様のために、山形市と関係諸団体、市民サポーターと連携を行い笑顔と感動を提供しつづけることは、私たちの大きな責務であります。今後も地域と共に成長していく魅力溢れる持続可能な大会の構築へとつなげます。

地域社会は市民と企業、行政が一体となって作り上げ、発展させていくべきものです。どちらかが足りなくても嚙み合わず、それぞれが重要な役割を担っております。山形青年会議所には企業に所属しているメンバーもいれば行政から輩出されているメンバーもいます。異なる立場の人財が集まる山形青年会議所だからこそ、見出し生み出せるやまがたの価値があるはずです。今までお世話になった方々やこれからお世話になる方々に感謝をし、それぞれの視点を大切に、地域が発展するためには何が必要かを考え、魅力あるやまがたとの出逢いを創出していきます。

 

まだ見ぬ将来の仲間との「出逢い」

山形青年会議所の最大の強みと魅力は、やまがたの発展に寄与できるだけでなく、志を共にする仲間と各事業に臨み、達成感と感動の中で組織とともに自身も成長できることです。しかし、時代の変化に伴い近年山形青年会議所に入会し共に自己成長を遂げ社会の発展に寄与し、卒業してからも社会発展の為にリーダーとして運動する仲間が減少しています。山形青年会議所の魅力や価値をメンバー一人ひとりが認識し魅力ある運動を展開していくためにも、全員で会員拡大活動を行う必要があります。また、私たちはより多くのメンバーを迎えるためにも山形青年会議所が価値のある組織であり続けなければなりません。

私たち青年にとって青年会議所という組織は、奉仕・修練・友情の三信条の下、あらゆる垣根を越え、地域社会のよりよい実現のために様々な成長・経験の提供を行える価値ある組織です。また、地域社会にとって青年会議所という組織は、人々と社会をつなぎ、その出逢いを以て住み暮らすまちを豊かにする価値ある組織です。これから出逢うであろう多くのまだ見ぬ同志の力とともに多種多様な視点で問題解決や事業展開をし、人と地域が成長できる組織を目指します。

 

未来を担う人財との「出逢い」

私たちが住み暮らすやまがたには希望に満ちた未来があり、そして次世代を担う人財がやまがたにはいます。未来のやまがたを創り上げていく子供たちは私たちも経験したことがあるように、子供のころの経験はその後、一人の人間として成長に大きな影響を与えます。そして新しい事へ恐れず挑戦する事から得られる達成感や喜び、感動は大きな財産となります。子供のころの経験は将来の選択肢を広げる要素になり、夢や希望を生むきっかけになることでしょう。

私たちが住み暮らすやまがたには、地域の少子化と人口流出という大きな課題があります。その原因のひとつは、地域外への進学や就職した次世代の人財がやまがたに戻ってこない事です。人財が外に出ていく前、もしくは出て行ったあとにこのやまがたの魅力に気付いてもらう必要があります。やまがたにはたくさんの優れた人財や企業があり、その企業に所属、もしくは自ら運営し活躍するメンバーが山形青年会議所には多くいます。私たちの住み暮らすやまがた自体にも自然や歴史、伝統、文化に加え、地域に住み暮らす人々の魅力が詰まっています。次世代を担う人財がそれらの魅力と出逢い、やまがたの発展に繋がる機会の提供を行えれば、今後の次世代の人財の確保につながり人口流出、人口減少の一助になると考えます。また、多様な体験を土台とした人財の成長を支える環境づくりを進めていくことが、よりよい社会創りにつながると考えます。

 

たくさんの機会との「出逢い」

私たちの住み暮らすやまがたには直面している解決すべき問題がたくさんあります。また、私たちを取り巻く社会にはそれ以上に地域を越え、多くの問題が存在します。今、私たちが直面している問題を解決し地域の明るい未来を実現するためには、山形青年会議所の知識や経験、組織規模において不十分な部分もあり、より多くの人財と出逢い、多角的な視点から物事を捉え運動を展開していく必要があります。そのためにはメンバー一人ひとりが青年会議所の持っている地域や世代を越えた出逢いを通し成長し、組織としても成長する必要があります。

2024年も日本青年会議所、東北地区協議会、山形ブロック協議会を通してたくさんの経験と成長の機会と人の出逢いがあります。メンバーが意欲的に出向し成長できる機会に出逢えるようLOMが一丸となり支援します。また各種大会に参加することによって、青年会議所が明るい豊かな社会の実現のために日々どのような活動、運動を行っているか、各地域のためにどのような運動を展開しているのかを知り、共有することにより良い運動につなげることができます。それが山形青年会議所の成長につながり、やまがたの問題解決につながります。そして国内外で開かれる各種大会において多くの地域の皆様に私たちが住み暮らすやまがたの魅力を発信する機会にします。

国外の姉妹JCとしてJCI台湾四維、JCI香港シティーレディーがあります。国外の姉妹JCとは国際交流の場において、異なる文化や歴史、価値観に触れることによりメンバー一人ひとりが今までとは違う視点から物事を捉え運動に繋げていける成長の機会にします。

 

多くの同志との「出逢い」

山形青年会議所に所属する現在のメンバーは、在籍期間が2~3年と浅く、新型コロナウイルスの影響もあり、人と人とのつながりや地域とのつながりが薄れ、さらには、先輩諸氏との親交の機会も減少しています。その結果、これまでの先輩諸氏が紡いできた歴史と伝統を継承していく力が弱まってきています。新型コロナウイルスの影響が明けた今だからこそ、私たちは、先輩諸氏、メンバー間はもちろんのこと、これまで以上の交流の機会を創出し、地域に対しても運動を発信することで多くの出逢いを得ることでき、組織として成長する土台を構築します。

山形青年会議所は国内の姉妹JCとしてJCI倉敷とのご縁があり、これまでもそしてこれからも良き理解者であります。これまで育まれた友情をさらに強くし、これからもお互い切磋琢磨し高め合える関係を築いていきます。また、姉妹JCとの交流でメンバー自身の成長の機会を得られるようにします。そして、日々のLOMでの活動の中でも、交流の機会を通しメンバー同士改めてコミュニケーションをとり、組織としての団結力の強化につなげ、また山形JCシニアクラブの皆様と交流を深め世代間を越え多くを学び続けます。

 

70周年に向けて

2025年度に山形青年会議所は創立70周年を迎えます。これまで第48回全国会員大会山形大会、ならびにJCI ASPAC山形大会と、多くの先輩諸氏によって山形青年会議所は全国、アジア、そして世界へやまがたの魅力を発信し続けてまいりました。この歴史をしっかりと引継ぎこの先もやまがたの発展と魅力の発信を継続的に行ってまいります。また地域と共に様々な運動を展開してきた山形青年会議所は、これからも地域の方々から寄せられる期待に応えるため、地域の抱える問題や課題を共に考え、解決していく必要があります。

現在の山形青年会議所は入会年数が2~3年と浅いメンバーが多くなっている中でこれまでの山形青年会議所の歴史や地域に対してどのような運動を展開してきたのかについてメンバー一人ひとりが知る機会が必要だと考えます。そして新しい歩みを力強く始められるよう青年らしく多種多様な角度から物事の本質を捉え、解決につなげる知識と行動を以って2025年度の70周年、そして未来へつなげてまいります。

 

対外発信と盤石な運営

SNSやメディアなど多くの発信ツールが現在普及しております。やまがたの為地域の魅力を高める運動を行っていても、発信しなければ組織としての認識は薄れ本来の運動を認知してもらう機会は少なくなってしまいます。多くの運動、活動を地域のたくさんの人に認知して頂けるよう、様々な発信ツールの中でより有効的で効率的なものを精査し発信して参ります。そして山形青年会議所への関心や共感を多く持っていただき協働していくことで組織の成長へとつなげます。

また、組織として基盤を強固なものにし、人と人の繋がりを意識し正確でより効率的に総務事務を行えるよう今まで使用しているものについて改めて見直しを行い、新しい方法やツールを取り入れながら運営致します。また昨今重要度が増しているコンプライアンスについて、各資料の取り扱い方、資料の共有についても問題がないか管理してまいります。

 

出逢いをご縁に

出逢い

いつどこでだれとだれが

どんな出逢いをするか

それが大事なんだなあ

作:相田みつを

 

いい出逢いもあればわるい出逢いもあると思います。それでも「出逢い」には変わりがありません。どう感じてどう受け止め自分の成長に、そして組織の成長につなげられるかは、自分次第です。そしてその差は、「どんな出逢いも”ご縁”に変えられるか」、そんなちょっとした気持ちの違いだと私は考えます。落ち込んでもいいと思います。しっかり向き合って成長へとつなげていきましょう。私たちにはたくさんの仲間がいます。これから一年間多くの出逢いをご縁に変えていきましょう。